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人の優しさに触れた一日は

11月22日は、二回目の抗がん剤投与の日だ。

私は外せない仕事でついていくことができなかったので、

妻は一人で行く気であった。



ここで経験のない方のために誤解のないように言っておくが、

抗がん剤は、人にもよるし、薬にもよるが、

別に一人でも余裕で行けるケースが多い。

そのへん、うちは、まだ、なんというか、

病歴的に

「初々しい」わけで、

いちいちついていきたいわけである。



すると、そんな私の心配を察したか、

妻の妹がついてきてくれるという。

妻は何度も断ったのだが、

私が、私のためについて行ってもらいたいと言ったため、

受け入れた。



妻の妹は、前にも出てきた

神社でお祈りをしてくれた妹である。

妻は、妹に付き添われ、

私に買ってもらった暇つぶし用の本を持って、

病院に行ってきた。



妻の妹は、私よりもさらに、

なんというか、病気に関して初々しく、

ちょっとした段差なのに、脇に手を回したり、

すぐ肩を貸そうとしたり、

やたらめっぽう病人扱いしてくれたそうで、

妻としては、半分あきれて、

ほとほと














すごい嬉しかったらしかった。

「あそこまでされると、

なんか風邪ひいたときみたいで嬉しいね」

と喜んでいた。

風邪より悪いだろが。



「がん」と聞くと、ついつい、素人は、

どうしても、ドラマで観たようなイメージが浮かんでしまい、

「えーっ!!!!!!!!!!!!死ぬの?」

的反応になってしまうことがある。

私も、はっきり言ってそうだった。

ブログをあちこち見させていただいて、

たいへん勉強になった。



でも、妻は、なんかほんとに嬉しそうに帰ってきた。

母親はもう他界していたし、

15歳で家を出た妻は、

わかりやすく露骨に優しくされると、

喜んじゃうのである。



妹は、妻に、へそくりの残りを丸ごとくれたそうだ。

専業主婦の妹は、新札が手に入ると、

それを専用の封筒にしまいこんでいた。

それを、何度も断る妻の手にねじり込んだそうな。

見せてもらった白い封筒は、厚手のものだったが、

端がボロボロだった。

「へそくり」な感じがやけにリアル。

中には、ピン札がいっぱいだった。

特に、千円札のピン札が。

ほんとに、何年もかかったのだろう。



へそくりの大半は、姑を連れた旅行で消えてしまったそうだが、

残りは全額妻にくれたそうだ。




全部で15万円以上あった。

旅行もグルメも大好きな妹が、

姉の見舞いに、全部よこしてきた。

そのむき出しの、あまりにストレートな善意に、

私も、しばし感動した。

大好きなんだね。




妻は、「これはお守りだよ」

と言って、使わないことに決めたみたいだ。

ますます生きる気になってきた。

やっぱり来てもらって良かった。




がんは、6センチになっていたそうだ。

妻は、最初の大きさなんか覚えてないから、

最初は7センチだったのだが、8センチあったことにして、

「2センチも小さくなったんだね!」

とさっそくウソを言った。

私は、姑息で、妻も望んでいないような、

そんな安っぽい善意で、

その日は終わってしまった。



私は、まだ病気のことばかりが気になっているようだ。

進行がどれくらいだとか、転移がどうとか、

ま、私は普通なんだと思うんだが、

妻は、きっと、そういうことじゃないことが

してもらいたいんだなあ、と思った。



「人の優しさに触れた一日は、

そうじゃない何年よりも上だよ」

あの人は、ほんとうに、そういうことを

さらっと言う。



わかってはいるのだけれど。

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こんにちは、理人(Lied;リート)です。
妻は50代前半、私は40代前半です。


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