精神状態で健康状態が悪化するってことは、経験上よくわかる。


期待や信頼が大きく裏切られて、ガッカリした気持ちが続き、でも逃れられない仕事や日常があると、私は真っ先に胃にくる。


コーヒーを受け付けなくなり、揚げ物が合わなくなり、梅干しで穴が空きそうになる。


続いて、皮膚に異常が出てくる。目の上や頭皮が赤く腫れたり、ポロポロ剥けたりすると、自分が何かを心配しすぎていることがわかる。


歯が痛くなる。歯茎で見えない骨のカルシウムがとけだしてくる。

腰が痛くなり、不整脈が出る。車内で急にパニック症状が出る。腎臓が悪くなる。


精神状態の悪化は、身体の健康状態を数週間で悪化させる。

だから、逆もある。先行の見通しが明るくなると、ある日、コーヒーを飲みたくなったりする。少し走ってみたくなったりする。


「プラシーボ(偽薬)効果」は、精神状態が身体に及ぼす影響への考慮が含まれている。

「新薬が自分に効くかもしれない」という見通しが、結果として、効を奏することがある。代替療法やがんに効く食品の類も、心理的影響が大きいという指摘もある。


もし、精神が病気を治癒・緩和するとしたら、薬や療法や食品でなくとも、かまわないはずである。


生きがい、人間関係の改善、幸運な出来事、新しい取り組み、自己実現、休息、ワクワクする経験…。


これらは、たとえば癌を治さなくても、癌細胞の、お隣の細胞を元気にするだろう。健康な細胞が癌に侵食されて不都合が出るのだから、「癌のお隣の細胞」を応援することが大事なのである。


だから、「心底」精神状態が良いほうに改まるような経験は、役立つのである。


「前向きがいいらしい」「共感がいいらしい」「ストレスを吐き出すことがいいらしい」と、情報から「いいらしい」と思ってやってみるが、実際はウツが進むということがある。


心底変われないのだ。負のスパイラルにはまり、関係を絶ったり、八つ当たりしたり、嫉妬したりするときは、思ったほどには、方法がうまくいっていないときだ。


「心底」というからには、「いいらしい」ということに適応しようとしても足りないだろう。その場の気分に飲まれれば、ウツはなかなか去らない。どこかの親切な人がじっくりと付き合って助けてくれれば別だが、半数は見つけられない。


自らを自らで助く、心底からいくには、きっとそれしかないのだろうと思う。


大抵のグチは、実は本心ではない。代償の行為、補償のストーリーである。大抵は、もっと素晴らしい力を持っているものだ。












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