ニカニカ
再び診察室に入っていった妻を、
私は外で待った。
話が少しだけ漏れ聞こえてくる。
大病院とはいえ、防音に関しては甘い。
私の関心は、妻が化学治療や放射線治療などを
拒否するのではないか、
という点にあった。
妻は、昔から薬が嫌いだ。
「自分はいつ死んでも悔いはない」
それが妻の口癖だったし、
ハッタリではない。
しかし、
そんな耳をそばだてている私の耳に飛び込んできたのは、
高らかな妻の笑い声だった。
男性医師も快笑している。
すっかり談笑モードだ。
ドアを開けて出てきた妻は、
ニカニカしながら出てくると、
話し出した。
「あのね、あの先生、○○さんのことね、
15年くらい経ってたのに、覚えてた。
すごいよねー。
やっぱり、あの人、ちょっとユニークだった
からかなって思ってね・・・」
つまりは、妻の美容室の常連のお客さんである
○○さんが、妻がかかっている医師に
15年ほど前に診てもらい、
そのことを医師に話したら、
あまりにもよく覚えているので、
妻が感心して、
二人で○○さんの話で盛り上がった、
ということらしい。
友達を一人見つけたような顔をして、
妻は、言った。
そのあと、書類を出しに行った何やらの検査室でも、
「あら?もしかして?」
と話しかけた相手が、
娘と同じ保育園のママさんだったため、
「じつはさー、ガンなのよー」
と話が始まってしまった。
会計を終えて駐車場に向かいながら、
妻は、
「なんかね、
思ったより、楽しかった」
そう行ってニカニカした。
私は外で待った。
話が少しだけ漏れ聞こえてくる。
大病院とはいえ、防音に関しては甘い。
私の関心は、妻が化学治療や放射線治療などを
拒否するのではないか、
という点にあった。
妻は、昔から薬が嫌いだ。
「自分はいつ死んでも悔いはない」
それが妻の口癖だったし、
ハッタリではない。
しかし、
そんな耳をそばだてている私の耳に飛び込んできたのは、
高らかな妻の笑い声だった。
男性医師も快笑している。
すっかり談笑モードだ。
ドアを開けて出てきた妻は、
ニカニカしながら出てくると、
話し出した。
「あのね、あの先生、○○さんのことね、
15年くらい経ってたのに、覚えてた。
すごいよねー。
やっぱり、あの人、ちょっとユニークだった
からかなって思ってね・・・」
つまりは、妻の美容室の常連のお客さんである
○○さんが、妻がかかっている医師に
15年ほど前に診てもらい、
そのことを医師に話したら、
あまりにもよく覚えているので、
妻が感心して、
二人で○○さんの話で盛り上がった、
ということらしい。
友達を一人見つけたような顔をして、
妻は、言った。
そのあと、書類を出しに行った何やらの検査室でも、
「あら?もしかして?」
と話しかけた相手が、
娘と同じ保育園のママさんだったため、
「じつはさー、ガンなのよー」
と話が始まってしまった。
会計を終えて駐車場に向かいながら、
妻は、
「なんかね、
思ったより、楽しかった」
そう行ってニカニカした。
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